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荒木組のメンター制度(第2回)

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前回は荒木組のメンター制度ができるまでのお話を伺いました。今回はメンター制度の立ち上げ当時のお話を伺います。

第2回―メンター制度スタート

編集部(以下、編):メンター制度を始めた時と、制度が軌道に乗るまでに取り組んだことを教えてください。

本郷部長(以下、部長):はい。そもそも、メンター制度の目的は若手社員の離職防止、社内の人間関係の構築です。気軽に相談できる環境づくりはとても大事なポイントで、社内での孤立を防ぎます。ひとりになってしまうと正しい判断ができなくなってしまいますからね。ですから、まずは社内にその目的の共有から始めました。

メンターの役割は非常に重要です。メンターは先輩社員、メンティは新入社員のことです。メンティの安全を何より優先して、会社とメンティの橋渡しをすることがメンターの役目です。メンターとメンティが仲良くなればいいということではなくて、組織の目標や仕事の進め方に合わせて、メンティが活躍できるようにサポートします。

編:これはなかなか難しいミッションですよね?

部長:実はそうなんですよ。メンティのプライベートなことまで立ち入る可能性があるので守秘義務を守ったり、メンティの考えを否定しないようにしたり、安易なアドバイスをしないなど、メンターとしての勉強をしてもらう必要があります。

編:制度導入1年目のメンターは特に難しかったでしょうね。

部長:はい。会社にメンター制度というものが浸透していなかったので、「新入社員に手厚すぎる」「私たちはしてもらっていない」というような声もありました。

メンター対象者も「なぜ自分がメンターをしなくてはいけないのか」と言っていましたね。時代の変化や若い世代の思考を浸透させるには時間が必要ですからね。

編:最初は何名がメンターとして携わったのですか?

部長: 最初は34名が研修に参加し、メンティの人数に合わせて13名をメンターに任命しました。今は入社2、3年目の先輩社員がメンターになりますが、当初は入社6年目ぐらいの社員もメンターになりました。任命された13名はこの取り組みに対して共感してくれた社員でした。

編:どういうルールでメンター制度をスタートさせたのですか?

部長:私が最初に話したメンター制度の目的や役割は、正直ハードルが高いのです。メンター制度の研修もしますが、目標を高くして、実際に行動できなくなったら意味がありません。

ですので、まずは「メンターとメンティが気軽に話せる体制をつくる」「一緒にごはんを食べに行って楽しかった」くらいの感じでOKにしました。最低でも、1カ月に1回は対面でコミュニケーションを取り、近況が聞けるように依頼しています。所属現場が途中で異動になると、なかなか会えない時もあるようですが、やり方を工夫して、オンライン飲み会を開催したりしているようです。ちなみに、食事などにかかる費用は会社が補助しています。

編:制度の運営にあたり、気をつけている点はありますか?

部長:メンター制度は会社が取り組んでいる制度であり、制度や研修の重要性を各部門長や上長にも理解してもらうことを大切にしています。メンターに立候補し、任命された社員を社内に公表することで、各部門長や上長もメンターを後押しできるようにしています。

編:組織一丸となってメンター制度に取り組んでいるのですね。

―――第3回に続く