働き方
荒木組のメンター制度(第1回)
先輩社員が新入社員の精神的なサポートを行い、新入社員が抱える悩みや不安を解消する「メンター制度」。荒木組では「社員同士の新たなつながりができる」と好評の制度なのだとか。荒木組のメンター制度はどのようにしてできて、どのようなことを大切にして運営しているのでしょうか?制度を立ち上げた経営企画部の本郷部長にお話を伺います。

今回お話を伺った本郷部長
第1回―メンター制度ができるまで
編集部(以下、編):本日はメンター制度について、インタビューさせていただきます。よろしくお願いします。
本郷部長(以下、部長):よろしくお願いします。
編:まずは、メンター制度を始めたきっかけや経緯を教えてください。
部長:当社では3年ごとに中期経営計画を策定し、部門ごとの課題に取り組んでいます。その中で2013年頃、会社が繫忙期を迎えた時に、「暖かい労務管理」というキーワードが示されました。それは、「過重労働はさせない」「心身共の健康に対して細心かつ柔軟な対応をする」「見て見ぬふりをしない」「互いに励ましいたわりながら、明るく元気な職場を作る」という4つの指示でした。
編:「暖かい労務管理」とは具体的にどういうことをされたのですか?
部長:最初のミッションは、各現場に出向いて、若手社員に声をかけることでした。私は以前、採用担当をしていて、社員が入社に至る過程まで把握していたので、若手社員とは面識がありました。ですから、私が現場に行き、仕事をする上で上司たちには話しづらい不安や相談を聞きにまわったのです。
編:1人で各現場をまわっていたのですか?
部長:そうですね。2014年からの3年間は、ほぼ毎日いろいろな現場で若手社員と話をしていました。大変でしたが、自分が採用に関わった社員が、社会人として成長している姿も見えたので、充実感がありましたね。
編:社員の皆さんは、素直に相談してくれたのですか?
部長:いえいえ、まずは最近の様子を聞いたりするなど軽い話からです。それからちょっと大事な話になってくると、休憩室でゆっくりと話を聞いたりします。若手社員は現場の上下関係を気にしますから、できるだけストレスがかからないように気をつけていました。私の携帯番号を教えていましたから、夜に相談の電話がかかってくることもありました。
編:社員さんは夜に電話するぐらい、本郷部長に心を開いていたのですね。
部長:いきなり本社から先輩社員が来て話をしても警戒すると思いますが、私が採用担当で、若手社員と顔なじみだったことが大きいと思います。ですので、自然と悩みを相談してくれたのだと思います。
各現場で話を聞いていくと、当然悩みがある社員もいれば、悩みのない社員もいる。また、悩んでいることも、十人十色です。どういうふうに改善していけばよいかと考えていたところ、若手社員のリーダー格となる2人の社員がいました。その社員たちと協力し、若手だけの飲み会を企画したりして、ストレス発散や相談のしやすい環境づくりをしていました。
編:お話を聞いていると、基本的に本郷部長お1人で対応されていたようですが、メンター制度の制度化はどういうタイミングだったのですか?
部長:制度化は2018年ですね。ちょうど私も年齢が上がって、若手社員からも少し壁を感じるようになってきたタイミングでした。若手社員からしても、相談しづらいですよね(笑)。
編:制度化される前の貴重なお話をありがとうございます。
―――第2回に続く