連載
土木施工現場の舞台裏に迫る ―「百間川橋耐震補強工事」編 Vol.2―

土木部が手がけている、国道2号線・百間川橋の耐震補強工事現場を追う本企画。今回は、作業用の「吊り足場」を組み立てている様子をレポートします。

今回の工事で、吊り足場(システム足場)を初採用しました
編集部(以下、編): いよいよ本格的に工事がスタートしましたね。
栗原所長(以下、所長): はい。今は、約3週間かけて作業用の吊り足場を組み立てているところです。
編:吊り足場とはどういったものなのですか?
所長:吊り足場とは、地面からではなく、構造物の上部からチェーンやパイプなどを用いて作業床を吊り下げるタイプの足場です。今回は「システム足場」という新しいタイプの吊り足場を導入しています。
編: 従来の吊り足場とは何が違うのでしょうか?
所長: アメリカで開発された技術で、従来の吊り足場よりも非常に安全性が高いのが特徴です。固定用のチェーンも通常の2倍以上太く、フックもかなり頑丈です。最大のメリットは耐荷重が高いことですね。

高いシステム強度も特徴のひとつ

大きなフックと太いチェーンでしっかりと足場をつくります
編: 耐荷重が高くなると、実際の工事にどんなメリットがあるのですか?
所長: 一度に多くの資材や装置を足場に載せることができます。今回取り付ける落橋防止装置はとても重く、取り付け作業のたびに国道2号の車線規制を行い、装置を下ろす必要があります。耐荷重が低い足場だと、一度に資材や装置を載せられる量が少ないため、作業回数が増えてしまい、そのたびに車線規制が必要になってしまうのです。
編: ということは、今回の工事ではシステム足場を導入することで、車線規制を行う回数が少なくなるということですね?
所長: はい。システム足場なら、一度に必要な装置を下ろせますからね。試算したところ、車線規制を50回から4回に抑えることができそうなんです。
編: 50回が4回に…!大幅に減らせるのですね。


この日は河川の上に足場を組み立てていました
道本さん(以下、道本): その分、足場自体のコストは従来の約5倍になります。ただ、今回は「コストよりも車線規制の回数を減らす意義の方が大きい」と判断され、国土交通省から導入が認められました。
編: 国道も関係している工事では、コストだけでなく、道路を利用する多くの方々への影響も大きな判断材料になるのですね。では、システム足場が完成した後は、どのような作業が始まるのですか?

橋の下に組まれたシステム足場。上を走る車から気付かれないところで作業を進めます
所長: 削孔をする際に鉄筋を切らないよう、超音波を利用した鉄筋探査試験を実施します。
編: とても興味深いですね!次はその調査の様子を取材させてください!
\後日、荒木組内でシステム足場の見学会が開催されました/


今回初めて導入された「システム足場」。その安全性の高さや工法を社内で共有するため、土木部や購買部の社員が集まり、見学会が行われました。
栗原所長は、この日のために資料を作成し、参加者に向けてシステム足場の構造・特徴・導入理由を丁寧に説明。
荒木組では新技術を導入する際、現場だけでなく社内での情報共有も重視しており、このような見学会を通じて知識と経験の水平展開を進めています。