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学びは現場で完成する ― 大学講義を通じて伝えた、学びと実務のつながり ―
先日、広島工業大学 環境土木工学科の学生さん約50名に向けて、荒木組 土木部の社員2名が講義を行いました。
今回の講義の目的は、「大学での机上の勉強が、実務とどのようにつながり、どんな意義を持つのか」ということを現場の視点から伝えることでした。知識は覚えるためにあるのではなく、使われてこそ意味を持ちます。このことを「ゼネコンと施工管理」という切り口で、実務担当者からお話しました。
講義の前半は入社18年目の宮脇さんが担当しました。テーマは「地盤工学と土木工事」です。例えば、「土質」について、大学の授業では公式や試験結果として学びますが、現場ではそれは単なる数値や理論ではありません。
・なぜ、この地盤ではこの工法を選ぶのか。
・なぜ、この施工手順が必要なのか。
・どこにリスクが潜んでいるのか。
その一つひとつの判断の裏側に、「土質」の知識が必要となります。「授業で学ぶ内容が、現場でどのように使われているのか」、「その知識が人の安全や構造物の品質をどう支えているのか」を、実際の現場経験をもとに具体的に伝えました。

そしてもうひとつ、宮脇さんが強く伝えたかったこと――。
それは、こうした“学びと実務の連携”が、地方ゼネコンの現場では日常的に行われているということです。机上で学んだ知識を、現場で確かめ、使い、深めていく。その循環の中で、技術者は成長していきます。
土木工事は世界にひとつだけの、究極のオーダーメイド品。その魅力やすばらしさを、しっかりと伝えることができました。
そして、講義の後半は、入社1年目の藤井さんが登壇。「実際に若手社員は今、現場でどのような仕事をしているのか」という“現場のリアル”を、学生さんにもイメージしやすい言葉で紹介しました。

施工管理の1日の流れや、入社1年目で携わる業務について具体的に語り、「まだすべてを理解できているわけではありませんが、学んできたことが現場の中で少しずつつながっていく感覚があります」と率直な思いを述べました。学生さんたちにとって藤井さんは、「数年後の自分」を想像できる、最も身近なロールモデルです。現場で働く姿を具体的に思い描く、貴重な時間となりました。
今回の講義は、就職先を決めるための説明会ではありません。今、学んでいることが、将来どんな仕事につながり、どのような場所で、どういった価値を生むのか。その“学びの行き先”を知っていただくことが目的でした。地方ゼネコンの仕事は、地域のインフラを支え、暮らしを形にする仕事です。その根底には、大学で学ぶ一つひとつの知識があります。勉強している今は、「これが何の役に立つのか」と感じることもあるかもしれません。しかしながら、その知識は、現場で人を守り、構造物を支え、地域を支える力になります。今回の講義が、学生の皆さんにとって学ぶ意味を再確認し、進路の選択肢を広げるきっかけになればうれしく思います。