連載
土木施工現場の舞台裏に迫る ―「百間川橋耐震補強工事」編 Vol.3―
土木部が手がけている、国道2号・百間川橋の耐震補強工事現場を追う本企画。第3回は、「落橋防止装置」を取り付けるために行われている「鉄筋探査・コア削孔」の様子をレポートします。
編集部(以下、編):早速ですが、「鉄筋探査」とはどんなことをする調査なのでしょうか?
栗原所長(以下、所長):鉄筋探査とは、建物や構造物を破壊・損傷させることなく、内部にある鉄筋の位置や状態を調べる非破壊検査です。建設中や竣工後の検査・品質管理をはじめ、メンテナンス・保守、改修工事の事前調査など、さまざまな場面で活用されています。
編:壊さずに鉄筋の位置などを確認できるんですね。
所長:はい。この工事では、橋脚に落橋防止装置を取り付けるために穴を開けるのですが、その際に橋脚の中の鉄筋を切らないよう、鉄筋探査機を使用して鉄筋の位置を調べます。橋脚の中には鉄筋が縦横に組まれていて、これを切ってしまうと橋脚の強度が低下してしまうんですよ。

鉄筋探査機による調査
編:あらかじめ、鉄筋の位置が分かる図面はあるのですか?
所長:あります。ただ、工事の過程でどうしてもズレが生じることがあるので、こうして改めて現場で調査を行います。

現場監督の指示で作業員がマークを描きます
所長:赤い線が今回調査した鉄筋の位置、白い丸が設計図に基づく削孔位置です。今回の探査結果をもとに鉄筋を避けて、穴を開けていきます。

編:今、行われているのが、削孔作業ですか?
所長:そうです。この機械を使って橋脚に穴を開けていきます。順調に進めば、作業員1人あたり1日15カ所ほどの穴開けが可能です。

橋脚の削孔作業中。鉄筋を確認しながら慎重に進めていきます
編:「順調に進めば」ということは、そうでない場合もあるのですね。
所長:はい。深い位置の鉄筋は鉄筋探査機で読み取りにくく、削孔途中で鉄筋に接触することがあるんです。でも、今回の工事では、機械が鉄筋に触れると自動で停止する装置を付けているため安心です。実は作業員さんの手の感覚の方が正確なこともあるんですよ(笑)。
編:まさに職人技ですね。

所長:そうですね。鉄筋に接触した場合、その穴はそこで作業を終了します。作業後は、専用のモルタル材で穴を埋めて修復します。問題のない穴には赤いチェックを入れて、落橋防止装置の最終的な取り付け位置を決めていきます。
編:こうして見ると、すでに設置されている落橋防止装置の穴の位置が均等ではない理由がよく分かりますね。

所長:そうでしょう。この作業で取り付け位置が確定してから、落橋防止装置が製作されます。既製品をそのまま取り付けるわけではないんです。
編:なるほど。取り付けひとつにも、綿密な調査や段取りがあるのですね。本日はありがとうございました。
所長:ありがとうございました。

削孔によって、くり抜かれたコンクリート片