連載
密着!荒木組の設計 第5回 ─絶え間ない品質検査の裏側―
前回は、基礎工事における配筋検査やコンクリート打設の様子に密着し、建物を支える“見えない部分”の品質を担保する設計者の仕事を紹介しました。地中に強固な基礎が完成すると、現場はいよいよ建物本体を造る「躯体工事」、そして「内装工事」へと進んでいきます。工事が進むにつれて、現場の景色は大きく変化しますが、どの工程でも欠かせないのが、設計者による品質確認のための「検査」です。今回は、設計課が行う「鉄筋検査」、「構造躯体の確認」、「内装下地確認」に密着。各工程でどのようなポイントを確認しているのか、現場の様子とともにリポートします!

今回も市原さん(右)、向井さん(左)に密着取材!
構造の品質を支える、鉄筋検査
基礎工事が完了すると、次は柱・梁・床といった建物の骨組みを造るための配筋工事や型枠工事が進められます。特に柱と梁が交差する接合部は構造が複雑で、多くの鉄筋が集中する重要なポイントです。
設計者は、鉄筋の本数や太さなどが図面通りに施工されているかを一つひとつ確認。さらに、コンクリートを打設した際に隅々までしっかり流れ込むよう、鉄筋同士の間隔が適切に確保されているかもチェックします。構造の品質を左右する重要な工程だからこそ、細かい部分まで丁寧に検査していきます。

こちらは柱になる鉄筋

図面通りの間隔で鉄筋が配置されているかをチェック

現場での気付きや懸念点を所長と共有し、対応を確認
上階へ進む工事
1階部分のコンクリート打設が完了すると、工事は2階へと進んでいきます。再び配筋工事や型枠工事が始まり、建物は着実にその姿を形づくっていきます。階数が上がっても、設計者による検査は欠かせません。図面と現場を照らし合わせながら、一つひとつの施工状況を細かく確認していきます。

図面と現場を照らし合わせながら確認を行います


見落としがないよう、細かな部分まで丁寧に確認
機能を守るための、内装下地確認
コンクリート打設が完了すると、現場はいよいよ内装工事へと進みます。取材時の現場では、天井裏に網の目のように配管や配線が張り巡らされ始めていました。まだ壁紙や天井材などの仕上げ材は施工されていませんが、この段階で行う確認が、建物の機能性を左右する重要な工程になります。設計者が確認するのは、完成後には見えなくなる部分。設備機器や配管・配線が図面通りに施工されているか、将来にわたって建物が安全かつ適切に機能し続けるために必要な条件が満たされているかを、一つひとつ丁寧にチェックしていきます。

壁材の継ぎ目や納まりを細かくチェック
現場で確認を行なっていた市原さんに、お話を伺いました。
編集部(以下、編):壁紙もまだ貼られておらず、コンクリートやむき出しの配管が見えている状態ですが、この段階ではどのような確認を行なっているのですか?
市原さん(以下、市原):内装工事が進み、壁のボードを貼ってしまうと、その中にある配線や配管、断熱材などは見えなくなってしまいます。つまり、将来的な「水漏れ」や「設備の不具合」といったトラブルを防ぐためには、壁でふさがれる前のこの段階でしっかり確認することが重要なんです。
編:図面との整合性を確認するうえでも、大切な工程なんですね。
市原:そうですね。後から簡単に直せない部分だからこそ、この段階は特に緊張感があります。お客様に安心して建物を使い続けていただくためにも、欠かすことのできない工程です。図面とのズレがあると、後から設備機器が納まらないなど、大きなトラブルにつながることもありますからね。
図面が建物となり、お客様のもとへ引き渡されるまで。設計者たちは現場で何を見て、何を考え、どのような思いで建物と向き合っているのでしょうか。アラキズム編集部では引き続き、その姿を追いかけていきます!