特集
密着!荒木組の設計 第1回 ―ゼネコンの設計の仕事―
こんにちは、アラキズム編集部です。今回から新たに「設計」に焦点を当てた特集をスタートします。ゼネコンである荒木組の設計者がどのようなことを考え、仕事を進めているのかを紐解いていきます。第1回は設計の仕事について、市原さんにお話を伺いました。

今回お話を伺った市原さん
編集部(以下、編):本日はよろしくお願いします。今回、初めて設計にフォーカスした取材となりますので、基本的な仕事内容から教えてください。
市原さん(以下、市原):よろしくお願いします。何でも聞いてください。
編:まず、市原さんは入社何年目ですか?
市原:入社8年目です。中途入社で、前職も設計の仕事をしていました。高校時代から設計を学んでいましたね。
編:設計の仕事はどのように始まっていくのでしょうか?
市原:指名やコンペなど入口はさまざまですが、基本は変わりません。最初にお客様にお会いして、どのような考えや課題を持たれているのかをヒアリングするところから始まります。
編:ヒアリングが最初の大切な仕事なのですね。
市原:はい。お客様の声をしっかりと聞くことが、提案の土台になります。
編:その後はどのように進めるのですか?
市原:建物の方向性や基本コンセプトをまとめ、同時進行で敷地調査や関係機関への確認、法規制のチェックも進め、最初の提案を行います。同行した上長と相談することもあります。設計施工が関わってくるので、工務本部へも共有しますが、主体は設計課ですね。それから提案をもとに、建物の形や空間の使い方、構造・設備を具体的に図面や模型に落とし込んでいきます。

実際の施工に使われる、詳細設計後の設計図
編:外観と内部空間のどちらも設計するのですか?
市原:そうです。外観・内部空間を分けずにトータルで設計しています。
編:最初の提案書の完成までにはどのくらいの時間がかかるのでしょうか?
市原:プランニングのみだったり、イメージも合わせた提案だったりと条件によりますが、最初のヒアリングから約1~3カ月かかります。その後、お客様にプレゼンを行います。ただし、お客様のご要望に応じて変更する場合もあり、合意を得られるまで何度も打合せを重ねます。

施設のサイン計画も設計課で考えます
編:工事が始まれば、仕事は一区切りされるのですか?
市原:いえ、そこからも続きます。工事の図面整合チェックや、お客様との定例会での報告、現場で発生する課題への対応など、完成まで伴走します。図面修正もその都度発生します。
編:設計者は机に向かう時間が多いイメージでしたが、現場に行ったり、お客様を訪問したりと、外出することも多いのですね。
市原:そうなんですよ。飛び回ることが多いです(笑)。
編:つまり、プランニングから完成まで一貫して携わるのが設計の役割ということですね。
市原:はい。荒木組は設計事務所ブランド「AZUR1○○(アジュールイチマルマル)」を併せ持っているため、設計が企画段階から大きな役割を担い、プロジェクトをリードしています。
編:なるほど。設計の仕事がよく分かりました!次回はさらに詳しく、具体的なエピソードを伺えればと思います。