荒木組ワークス
若手女性技術者による本社女子トイレ改修プロジェクト ―第4回―
こんにちは、アラキズム編集部です。先日、完成した本社女子トイレの社内検査が行われました。前回の取材で「社内検査員や女性社員の意見も聞いてみたい」と話していた女性技術者3名。寄せられた意見をもとに、3名に改めて感想を伺いました。

プロジェクトをやり遂げた、達成感いっぱいの3人!
編集部(以下、編):本日はよろしくお願いします。女子トイレの社内検査が実施されたそうですね。
岡本さん(以下、岡本):はい。普段から社内検査を担当している現場所長にチェックしていただきました。
所さん(以下、所):そもそも社内検査というのは、建物の完成前に、社内の担当者が品質をチェックする検査です。図面どおりに仕上がっているか、不具合がないかを細かく確認し、引き渡し前の最終チェックを行います。今回は完成後でしたが、実際の社内検査と同じように厳しくチェックしていただきました。
編:どのような点をチェックしていただいたのですか?

材料や位置、設備機器などについて幅広くチェック
宮本さん(以下、宮本):特に、施工面でさまざまな指摘を受けました。例えば、洗面台のコーキング(※天板まわりや壁とのすき間を埋めるための防水材を充填すること)の色は施工側で決めるのですが、「天板の色に合わせて黒色にした方が、見た目が引き締まるのでは?」という意見をいただきました。また、「色が異なる壁材などの素材にはコーキングではなく、見切り(※異なる仕上げ材の境目をきれいに納めるための部材や処理のこと)を入れた方がデザイン性が高まるよ」という意見もありました。

洗面台のコーキングは、水漏れやカビを防ぐための大切な仕上げ
岡本:扉の手掛けも「ほこりが溜まりやすいのでは?」という意見をいただきました。見た目だけでなく、清掃のしやすさなど日常的な使いやすさを考慮した指摘でしたね。

洗面台下の扉の手掛け
宮本:間接照明の納まりについても指摘をいただきました。鏡の正面からは見えませんが、角度によっては光源が少し見えてしまうんです。壁に反射して光が漏れてしまうので、もっと工夫すべきだったと思いました。


鏡の裏にある光源
岡本:実際に利用する人の目線だけでなく、施工としての納まりの部分まで見ていただき、考えが行き届かなかった点に気付きました。
宮本:社内検査を受けて、どのように施工をチェックするのかとか、どういう目線でチェックするのかなど、発見が多かったです。設計課が考えた図面のクオリティをさらに高める工夫が、施工者側でできるということを体感しました。
編:皆さんにとって良い経験になったのですね。
岡本:はい。今回は自社のプロジェクトということもあって、上司は私たちの意見を尊重してくださいました。だからこそ、社内検査で細かな指摘を受け、まだ学ぶことが多い立場として改善点に気付くことができました。

厳しい社内検査でしたが、終了後は「よくできていますよ」とお褒めの言葉が
宮本:今回の指摘で初めて気付いたことも多かったです。次に同じような機会があれば、事前に検討できるようにしたいと思います。それと同時に、荒木組の品質管理のきめ細かさを改めて実感しました。これはやっぱり、荒木組の強みだと思います。
所:これからもいろいろな経験を重ねて、まだ理解できていない部分を解消していきたいです。
編:実際に使われ始めてから、女性社員の皆さんの反応はいかがでしたか?
岡本:社員同士が感謝を伝え合う「ありがとうカード」に、「トイレが広くなって、使いやすくなりました。ありがとう」という声をいくつかいただきました。
所:「まるでホテルのお手洗いみたいに高級感のある空間になったね!」と言ってくださった人も。岡本さんのコンセプト通りですね(笑)。
宮本:今後は半年点検や1年点検を自分たちで行う予定です。時間が経つと見えてくる課題もあると思うので、それも経験にしていきたいです。
編:今日はありがとうございました。今回の経験が今後のプロジェクトにどう生かされるのか、楽しみにしています。
3人:ありがとうございました!