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新人所長にインタビュー 特別編 「建設用3Dプリンタ」造形現場を訪問
「新人所長にインタビュー ―土木部 岡田所長編 第4回―」(←LINKが開きます)では、旭川の堤防工事で活用した3Dプリンタ製構造物について、その効果や可能性を伺いました。今回は特別編として、実際にその構造物が造られている建設用3Dプリンタの造形現場を訪問。資材の確認から造形品質のチェックまで、普段はなかなか見ることのできない工程を見学しながら、岡田所長にお話を聞きました。

3Dプリンタの前で記録を取る岡田所長(一番右)
編集部(以下、編):岡田所長、お疲れさまです!今日は3Dプリンタ用資材の確認と、実際の造形状況のチェックの立ち会いですね。
岡田所長(以下、所長):お疲れさまです。はい、今日は造形品質の管理と、コンクリートの硬さや積層の精度などを細かく確認していました。

3Dプリンタに対応した特別なコンクリートを使用
編:コンクリートの硬さをチェックする作業は、通常の現場でも行われていますよね。3Dプリンタならではの違いはあるのでしょうか?
所長:全然違いますね!普通のコンクリートは型枠に一気に流し込みますが、3Dプリンタの場合は「積層」といって、1層ずつ積み重ねながら形を造っていきます。そのため、コンクリートが柔らかすぎると形が崩れてしまいますし、逆に硬すぎると層同士がうまくなじまず、きれいに積み上がりません。造形に適した硬さを維持しながら、1層ずつ正確に積み重ねていく必要があります。絶妙なバランスを保ちながら層を重ねていくところは、見応えがありますよ。
編:確かに、普段の現場では型枠にコンクリートを流し込んで施工しますよね。
所長:そうなんです。今回造形しているような斜めの形状は、従来工法だと専用の型枠が必要となるため、施工に手間やコストがかかります。その点、3Dプリンタは型枠を使わずに造形できるので、自由度の高い形状にも対応しやすいのが大きな強みですね。ただ、自動化が進んでいるとはいえ、「人の手」による管理や調整が欠かせないんですよ。
編:なるほど。常に数名の方が作業されていますね。

図面どおりの形状を実現するため、細かな調整は人の手で行います
所長:基本的には、オペレーターと材料投入担当の2人でも造形作業は可能と聞いています。ただ、強度の管理や複雑な形状の造形を行う場合は、材料の状態や積層状況を細かく確認する必要があるため、人の目によるチェックが欠かせません。
編:この3Dプリンタで造った構造物は、実際の現場にいつごろ搬入される予定ですか?
所長:翌週には現場へ納入します。3Dプリンタの大きな特徴のひとつは、造形後3日ほどで所定の強度を確保できる点です。このスピード感は、災害復旧工事など迅速な対応が求められる場面でも大きな強みになると思います。
編:今後、さまざまな現場で活躍しそうですね!
所長:そうですね。こうした新しい技術を実際の現場で活用し、自分たちの手で形にしていけるのはおもしろいですね。新しいチームのメンバーにもぜひ体験してもらい、一緒に知識や技術を深めていきたいと思っています。
今回、3Dプリンタの造形を依頼した、西尾レントオール株式会社様にもお話を伺いました。西尾レントオール様は、建設機械や重機などのレンタル事業を手がける企業です。

3Dプリンタの運用・サポートを担う、西尾レントオールの皆さん
編:昨年11月に3Dプリンタを導入されたそうですが、レンタル機材として取り扱うことになったきっかけを教えてください。
西尾レントオール 担当者様(以下、ニシオ):弊社ではこれまでも、ICT施工やi-Construction関連の機材を数多く取り扱ってきました。その中でも、3Dプリンタは非常に特殊な機材だと考えています。一方で、最新技術であるがゆえに機材価格が高額で、導入へのハードルが高いという課題があります。そこで、まずは「レンタル」という形で気軽に利用していただきたいという思いから導入を決めました。
編:レンタル機材とはいえ、社員の皆さんが現場で作業されていますよね。
ニシオ:そうなんです。実はこの3Dプリンタは、レンタル機材としては全国でもまだ1台しかありません。そのため、単に機材を貸し出すだけではなく、運用の仕組みづくりそのものを進めている段階でもあります。現在は、私たちがお客様の現場へ伺って造形作業をサポートしたり、工場で製作したものを納品したりするケースが中心ですね。
編:現場での反応はいかがですか?
ニシオ:皆さん、実際に3Dプリンタが造形している様子をご覧になると、とても驚かれますね。おかげさまで、導入以来、毎月継続してお引き合いをいただいています。私たち自身も、現場で経験を重ねる中で、ようやくオペレーションに慣れてきたところです。
編:やはり土木関係での利用が多いのでしょうか?

ニシオ:はい。基本的には土木分野ですね。将来的には機材そのものを貸し出すだけでなく、この製作スペースも含めてご利用いただける環境を整えていきたいと考えています。お客様がCADデータを持ち込めば自由に造形できるような仕組みを目指しています。
編:まさに建設DXの最前線ですね!
ニシオ:まだまだ勉強中ですよ。3Dプリンタは従来の建設機械とはまったく勝手が違いますから、まずは私たち自身がしっかり使いこなせるようにならないと、お客様にその魅力や活用方法をお伝えすることもできません。今は試行錯誤の連続ですが、より利用しやすいレンタルの仕組みやサポート体制を模索しているところです。
編:新しい技術を「誰でも使えるツール」にしていく。これからの展開がますます楽しみです。本日はありがとうございました!