連載
新人広報のリアルリポート!#1 ―荒木組土木部の、人と人をつなぐ仕事―
はじめまして!今年、荒木組に入社した、広報担当 岡本です。
学生だった頃の私は、建設業界に対してどちらかというとネガティブなイメージを抱いていました。しかし、実際に入社してみると、おもしろくて新しい発見の連続。入社前に抱いていたイメージと実際のギャップ、現場で驚いたこと、先輩社員から教わったことなど、新人ならではの目線でお届けしていきます。
ゼネコンに興味がある方はもちろん、進路を考えている学生のみなさんにも、「こんな世界があるんだ」と感じてもらえるような内容を発信していきたいと思っています。私自身もまだまだ勉強中ですが、皆さんと一緒に建設業界や荒木組の仕事について学び、理解を深めていければうれしいです。
それでは、これからよろしくお願いいたします!
荒木組の土木部が手がけた、国道2号・百間川橋の耐震補強工事。アラキズム編集部は、足場を組み立てる前から現場を追ってきました。(その様子は土木施工現場の舞台裏に迫る ―「百間川橋耐震補強工事」編 最終回―[LINKが開きます]でご覧いただけます。)実は、私が入社して初めて取材したのも、この現場。普通なら近くで見ることのできない橋の裏側に、私たちが安全に利用するための落橋防止装置が取り付けられました。

初めて見る落橋防止装置に興味津々!
この落橋防止装置を取り付けるために採用されたのが、橋から吊り下げるタイプの「システム足場」という吊り足場。従来の吊り足場よりも非常に頑丈で一度に多くの重い資材を載せることができます。そのため、車線規制の回数を減らせる一方、コストは大幅に増加することが分かりました。なぜ、そこまでして規制を減らすことにこだわったのか、現場を担当する栗原所長に、お話を伺いました。

こちらがシステム足場。この上でも取材を行いました
岡本:どうしてコストを抑えることよりも、車線規制の回数を減らすことを優先したのですか?
栗原所長(以下、所長):今回規制の対象だったのは、国道2号。西日本でもトップクラスの交通量を誇る道路です。交通量の少ない道路で規制をなくすのとは意味が違います。国道2号のような多くの人が利用する道路だからこそ、規制を減らす価値があると考えました。もちろんコストは増えますが、それ以上に地域や利用者への影響を減らせるメリットがあると判断し、国土交通省へ提案しました。
岡本:なるほど!もし従来の吊り足場を採用していた場合、どのような影響があったのでしょうか?
所長:夜間の車線規制が44回ほど必要になる見込みでした。夜間とはいえ渋滞は発生しますし、交通規制を伴う工事では交通事故のリスクもあるんです。そうしたリスクを少しでも減らしたいという思いがあり、今回は車線規制の回数を抑えられる「システム足場」を採用しました。結果的に車線規制を1度も実施せず無事故で完工し、地域の方への影響も抑えることができました。
岡本:車線規制44回の見込みが0回に…すごいですね。地域の方への影響という点で、普段から意識していることはありますか?
所長:その地域の人からするといきなり工事が始まり、今までと生活環境が変わるわけなので、できる限り地域の人と直接話をして対応することを心がけています。また、どの現場でも、日頃から現場周辺のごみ拾いは意識して行なっていますね。今回の現場は近隣住民の方と直接関わる機会が多くありませんでしたが、一般的な土木工事では地域との関わりは非常に大きいです。例えば、ダンプカーが頻繁に出入りする現場では、時間を見つけて道路清掃を行うこともあります。一見小さな気遣いでも、地域の人は意外と見てくれています。
岡本:地域の方との関係づくりも施工管理の仕事のひとつなのですね。
所長:そうですね。もちろん、迷惑をかけない施工方法を考えることが大前提です。ただ、「会社と地域」という関係ではなく、「人と人」として向き合うことが大切だと思っています。工事の説明が必要な時だけ訪問するのではなく、普段から顔を合わせておくことで、自然と関係ができて、工事への理解も得やすくなると感じています。

新人広報ならではの素朴な疑問を、所長にぶつけました
岡本:ところで、今回初めて土木の現場を取材して、「成績評定」という制度があることを知りました。どのような制度なのでしょうか?
所長:簡単に言うと、完工したあとに、出来形、品質、安全管理、創意工夫等を総合的に評価し工事に点数をつける、国土交通省が定める制度です。工事の技術水準や品質を向上させることが主な目的で、成績は次の公共工事の入札時にも使われています。
岡本:今回のような交通への影響を抑える取り組みも評価対象になるのでしょうか?
所長:そうですね。ただし、交通への影響を抑えたことだけでなく、工事全体の取り組みや効果が評価対象となります。
岡本:なるほど…。栗原所長が現場を管理する上で、大切にしていることはありますか?
所長:まずは発注者の期待に応え、設計通りのものをつくり、安全に無事故で工事を終えることです。もうひとつ、大切にしているのが、協力会社の皆さんに「この現場で仕事をしてよかった」と思ってもらうこと。建設は「人」がいてこそ成り立つ仕事です。現場を動かすのは所長ひとりではないので、協力会社の職人さんとの信頼関係を構築できるよう、日々の業務にあたっています。
岡本:最後に、建設業界を目指す学生さんたちにメッセージをお願いします!
所長:「キツい」とイメージされる建設業界ですが、昔に比べると働き方は改善されています。ただ、大変なことにも挑戦して、その先にある達成感を味わいたい人は、ぜひ荒木組に来てほしいなと思います。
新人広報note
土木の現場では、工事を安全に進めることだけでなく、地域の人への配慮やつながりも重視していることが分かりました。また、インタビューを通して見えた、地域住民や協力会社の方との信頼関係を大切にするという栗原所長のイズム。地域との関わりが多い土木の現場だからこそ、「会社」ではなく「人」として地域に溶け込むことがスムーズな現場運営の秘訣であると語っていたことが印象的でした。土木工事の裏側にあったのは、技術力だけでなく、地域住民への配慮や信頼を積み重ねる姿勢。そんな土木部の仕事の奥深さを実感することができた現場取材となりました。