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「あたらしい施工管理プロジェクト」若手社員の仕事は「業務一覧」でどう変わった?
前回ご紹介した、建築部の5人が若手社員のために作った、初のマニュアル「施工業務マニュアル(通称:業務一覧)」(https://arakizm.com/ncmp-4/)。今回は、その「業務一覧」を手に、実際の現場で活用している入社4年目の松浦さんにお話を伺いました。「見て学ぶ」、「経験しながら覚える」という文化が根強い建設業界で、業務一覧は若手社員の仕事にどんな変化をもたらしているのでしょうか。

今回お話を伺った松浦さん
編集部(以下、編):松浦さんは入社4年目で、これまでに5つの現場を経験してきたそうですね。
松浦さん(以下、松浦):はい。現場が変われば所長も先輩も変わるので、仕事の進め方やルール、細かい部分のこだわりが毎回バラバラで(笑)。異動するたびに「この現場ではどうするのが正解なんだろう」と、最初は戸惑うことも多かったです。
編:そんな中、昨年、先輩から建築部初のマニュアル「業務一覧」の試作版を渡されたそうですね。最初の印象はどうでしたか?
松浦:正直、めちゃくちゃ助かりました。当時は入社3年目で、初めて杭(くい)工事を担当するタイミングだったんです。しかも、所長と僕の二人現場。少人数の現場だと、所長も自分の実務を抱えていてすごく忙しいので、どうしても「今、これ聞いて大丈夫かな…」って、聞きづらい瞬間が多少なりともあるんですよ。
編:確かに、所長が付きっきりで教えてくれるわけではないですもんね。
松浦:そうなんです。でも、業務一覧があったおかげで、まずは自分で調べながら、「全体の流れはこうなっているんだな」って、ある程度つかむことができました。一番大きかったのは、初めて担当する仕事でも、これから何をやるのかがあらかじめ分かるので、「分からないことが先に見えた」ことですね。
編:「分からないことが先に見える」というのは、若手にとってすごく心強いことですよね。
松浦:はい。最初って、本当に「自分が何を分かっていないのかすら、分からない」状態なんです。でも、業務一覧を見ることで「ここまでは理解できたけど、この部分は分からない」と自分の中で整理できる。だから、忙しい所長に質問するときも、何を聞けばよいのかが明確になって、すごく聞きやすくなりました。
編:作成チームの先輩たち、「自分たちの文章で若手にちゃんと伝わるかな」と心配していたんですよ(笑)。実際に読んでみて、どうでしたか?
松浦:ものすごく読みやすかったです! 僕は、これから始める作業の前に必ず見るようにしているんですけど、特に右側の欄にある「よく注意しておくこと」が本当に便利で。一度経験した仕事でも、どこかしら忘れていることがあるので、見直すたびに「あ、そうだった」と助けられています。

松浦さんの業務一覧には、あちこちにメモが。しっかり使い込まれています!
編:業務一覧がなかった1〜2年目の頃と比べて、仕事への向き合い方は変わりましたか?
松浦:1年目の頃は、本当に先輩の後ろについて、言われた目の前の作業をこなすだけで精一杯でした。でも、業務一覧を使うようになってからは、今やっていることが「全体の流れの中のこの部分なんだ」と俯瞰して見られるようになりました。また、自分の立ち位置が見えるので、少人数現場でも自分の責任の範囲を想定しながら動けますし、所長との“共通言語”にもなりました。
編:経験を重ねてからも、業務一覧が役立つ場面はありそうですか?
松浦:そうですね。4年目にもなると、周りから「一度経験した仕事だから、これくらいはもうできるよね」という前提で話をされることが増えるんです。でも、実際にはまだやったことがない業務もあって…。そんなとき、僕は業務一覧を見ながら「まだやったことはないんですけど、これを見て自分でも調べながらやってみるので、教えてください!」って素直に言えるようになりました。
編:これからは松浦さん自身が、業務一覧を使いながら後輩に教える立場にもなっていきそうですね。
松浦:そうなんです。次の現場では、ついに僕にも後輩ができます。「一番下のままでいたい」っていうのが本音だったりもしますけど(笑)。後輩に間違ったことを教えないように、まずは自分がきちんと業務を理解して、業務一覧の使い方も含めて、優しくバトンをつないでいける先輩になりたいと思います!
編:今度は松浦さんが、後輩へバトンをつないでいく番ですね。本日はありがとうございました!
\現場で発見! ここでも、業務一覧が活躍中!/
先日、取材で訪れた別の現場で、業務一覧を確認しながら記録用の写真を撮影している入社1年目の社員を発見しました。実際にどんなふうに使っているのか、少しだけ話を聞いてみました。

業務一覧を活用しながら、現場で奮闘する池上さん
編:実際に現場で働き始めて、入社前に抱いていたイメージと違ったことはありましたか?
池上さん(以下、池上):入社前は、施工管理って「職人さんの作業を見守る仕事」だと思っていました。でも、実際は、ただ見ているだけではなくて、現場をスムーズに進めるために細かな作業を手伝うなど、自分で考えて動かなければいけないことがたくさんあるんだなと感じています。
編:今はどんな業務をまかされているのですか?
池上:主に、工事の記録写真を撮影しています。ただ撮ればいいわけではなくて、「何のために、どこの何を撮らなければいけないのか」を自分で考えて撮影しないといけないんです。
編:初めての現場だと、何の写真を撮っておく必要があるのか、最初は分かりませんよね。
池上:そうなんです。だから今は、先輩たちが作ってくださった業務一覧を確認しながら、記録写真を撮っています。書かれている内容を見て、「あ、これも撮っておかないといけないな」って、自分で考えながら動くための参考にしています。次に何を撮るべきかが分かりますし、先輩に「次はこれを撮ればいいですか?」と確認するときも話がスムーズなので、本当に役立っています。
編:業務一覧、しっかり現場で活躍していますね! こうして後輩が実際に使っている姿を見たら、作った先輩たちもきっとうれしいと思います。
アラキズム編集部では、「あたらしい施工管理プロジェクト」がこれからどんな広がりを見せていくのか、今後も注目していきます!